不動産買取のメリット・デメリットと高値買取への対処法

不動産売却で「買取」と「仲介」の違い

不動産売却の手法として大きく分けると「買取」と「仲介」の2種類があります。

仲介とは、 売主と買主の間に立ち、不動産取引を成約に向けて進めていくことを言います。
不動産会社が売主から依頼を受けると不動産情報ポータルサイトへ掲載したり、新聞折込チラシを配布して宣伝したり、オープンルームを開催して主にエンドユーザー向けに販売していきます。

買取とは、不動産会社が売主から直接買い取ることを言います。
不動産会社が買主として相対で進めていくため、仲介のような広告活動やオープンルーム等の販売活動はおこなわず、購入価格や引渡し等の諸条件の提示に対して検討していきます。
また、買取には「即時買取」と「保証買取」の2種類がありますのでご紹介します。

「即時買取」とは?

一般的に買取といわれるのは即時買取です。不動産会社へ売却することを前提に購入価格や引渡し等の諸条件の提示に対して検討して合意したら売却という流れで進んでいきます。

仲介のように販売期間が必要ないため短期間で確実に現金化できます。

「保証買取」とは?

仲介でエンドユーザーの買主を探して見つからなかったときに、買い取ってもらう取引を言います。仲介で売れなかった場合、不動産会社が買取をすることで売却期間に期限を定められ、売れ残りの不安なく計画的に現金化できます。

不動産買取の7つのメリットとは?

不動産買取のメリットを分かりやすく次の通りまとめました。

一般市場を介さないため、短期間で現金化が可能

諸条件が合意すれば一般的に1ヶ月以内で現金化が可能です。新居の入居費用や建築費の支払期限などの売却しなければいけない期間が迫っている、売れにくい物件でいつ売れるか分からない等といった問題が解決します。

エンドユーザーへの販売が難しい不動産でも対応

課題を抱えてる不動産でも売却が可能です。私道で地主の承諾が取れない、境界の確定に隣地に協力してもらえない、建物内で人が亡くなってる等といった問題が解決します。

内覧の立ち合いが不要

仲介では、売れるまで見学希望者に対して何度も内覧に立ち会ったり、突然の見学希望者に振り回されたりしてプライベートの予定が組みにくいのに対し、買取では最初の室内状況の確認以外内覧立ち会いの必要がないため有効に時間を使えます。

仲介手数料が不要

仲介では、成約時に物件価格の3%+6万円×消費税の仲介手数料がかかるのに対し、買取では仲介手数料がかからないので手取額が増えます。

ノークレーム・ノーリターンのため売却後も安心

仲介では、売却して引き渡した後、2か月間以内に故障が発生した場合は修復しなければならない(瑕疵担保責任)のに対し、買取では後から故障が出てきても修復義務がないので安心です。

修復・原状回復が不要

排水のつまりや壁の穴など建物に故障があったり、シロアリ被害や雨漏り等があっても現状のままで良いため、壊れたままで良く修復する必要がないため工事代金がかかりません。

残置物の処分・撤去が不要

新居に引っ越す際に、家具や電化製品等の不用品は残したままで良い不動産会社もあるため、処分するための作業や時間、費用がかかりません。

不動産買取のデメリットとその理由

不動産仲介で売主が負うべきリスク負担と責任負担を、不動産買取では全てを追わないでメリットに対して、買取のデメリットは不動産仲介より価格が15%~30%前後が低くなってしまうことのみと言えます。

価格が下がってしまう理由として、不動産会社は物件を取得すると税金、経費、収益が必要とあるためです。これに関してもう少し詳しくご紹介します。

税金に関して

不動産会社が物件を取得した時にかかる税金は次の通りです。土地価格や建物価格とは売買する価格ではなく、市町村の固定資産税課税台帳記載の土地建物価格のことをいいます。

  1. 不動産取得税   土地価格×3%+建物価格×4%
  2. 所有権移転費用  土地価格×1.5%(平成31年4月1日以降は2%)+建物価格×2%
  3. 抵当権設定費用  設定額×0.4%
  4. 契約書印紙税   1,000万超5,000万以下1万円
  5. 建物消費税    売却時の建物割合に対して10%
例:土地2,000万・建物1,000万の土地建物を買取した場合の税金

163万円 ( 内訳:60万+40万+30万+20万+12万円+1万円) +売却時建物消費税
※抵当権設定金額は3,000万で試算

経費に関して

次に、取得後から売却するまでの間に係る経費が次の通りです。

  1. 司法書士報酬
  2. 融資手数料・保証料
  3. 残置物処分、建物解体費
  4. リフォーム費
  5. 土地測量費
  6. 販促費
  7. 保有・維持コスト(借入金利、固定資産税、管理費・修繕費等)

これにエリアの人気性及び流動性、駅からの距離や規模、土地の形状や間口、前面の道路幅や方角、築年数、所在階等から、工事期間と事業収益の事業戦略を判断して売却価格が決定されます。

デメリットを克服する対処法

不動産買取で唯一のデメリットである15%~30%前後の価格低下は高値買取により100%に近づけることでデメリットを克服する事ができます。そのための対処法をここでご紹介します。

対象物件を得意とする買取会社をさがす

土地や一戸建、マンション、賃貸アパートなどの得意分野の違いや、事業収益を収益率で算出するか収益額で算出するかの違いで買取価格に大きく差が出てしまいます。そのため、買取対象となる不動産を得意とする買取会社を選ぶことが第1のポイントです。

次に、買取会社はスピーディーに販売する事で保有・維持コストを抑える事ができるため、買取した物件のリフォーム等が完了後、スピーディーに販売するためのチャネルが多く持っている買取会社を選ぶことが第2のポイントです。

最後に、工事代金などを低コスト抑える仕組みや、小規模により経営コストを抑えて、買取価格に反映できる企業ノウハウがある買取会社を選ぶことが第3のポイントです。

売却価格のボーダーラインを明確にする

100%に少しでも近づくよう、少しでも高く買ってもらいたいというのが本音ですが、価格が曖昧だと交渉まで到達せず、最高値を引き出せずに終わってしまいます。最終交渉のテーブルに到達するために売却価格のボーダーラインを設定しておくことが重要です。

買取会社との仲介が強い不動産会社をさがす

買取会社の価格が希望に届かない場合、仲介手数料がかかってしまいますが買取会社との仲介が強い不動産会社へ依頼し、買取会社を見つけてもらうことも有効です。

買取会社は商品在庫の状況で積極的に購入したり買い控えたりします。在庫が少ない時期は積極的に購入しますので買取価格が上がる事があります。

これらを把握している不動産会社に依頼して、買取価格が支払仲介手数料以上になれば手取り額が上がることになります。

買取価格の比較

A社:買取会社の提示価格3,000万
B社:仲介会社の紹介による買取会社の提示価格3,200万円
※仲介手数料≒約110万円
【手取額】A社3,000万円<B社3,090万円

まとめ

不動産売却をするときにはまず、販売期間、価格優先、労力の優先順位をつけておきましょう。
販売期間に期限がなく、労力をかけて少しでも高く売りたい、周辺の取引相場価格で売りたいという場合には、仲介で進めることが有効です。

売却価格が少し下がった分は、必要な労力と責任を負わない費用と考え、面倒を一切を負わず即現金化したい場合には、即時買取で進めることが有効です。

一定期間の時間に余裕があり、バランスよく進めて行きたい場合には、保証買取が有効です。

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