不動産をフルローンで親子間売買した事例

相続対策に自宅を親子間売買した背景

東京都にお住いの30歳の息子様からのご相談。同じく東京都にお住いのご両親が定年を機に、趣味の釣りを楽しむためにセカンドハウスとして静岡県で古民家を取得。昨今のコロナ禍に年齢から不安を感じたご両親は、静岡県のセカンドハウスへ移住を決意する。

東京のご自宅は父が先祖から譲り受けた土地なので、同じく東京にお住いの息子様が守っていきたいとの希望だったが、ご両親の老後資金確保と、特定の子供に贈与して、将来相続が発生した時に兄弟間で揉め事にならないよう第三者へ売却する計画だった。

親子間売買によるメリットとは

今回のようなご相談のケースでは、ご自宅を親子間売買をすることで次のようなメリットがあるのでご紹介致します。

第三者への売却を回避

親子間売買することで、先祖から譲り受けて沢山の思い出が詰まっている自宅を、第三者へ手放すことなく売却代金を手に入れることができます。

相続問題を回避

相続人が複数いる場合、不動産のままだと相続発生した際に「だれが不動産を相続するのか?」という問題が懸念されます。今回だと、相続が発生した場合の法定相続人は4名(母、兄弟3名)です。

4名の間で不動産を相続する人が話し合いで決定すれば問題は起きないのですが、不動産の価値同様の財産を他の3名が受け取れないとなったとき、揉め事に発展する懸念があります。不動産を事前に売却して現金化しておくことで相続が発生した際に均等に相続ができるため、親子間売買をすることで相続での争いを避けることができます。

贈与税を回避

無償で息子に譲り渡すと生前贈与になり「贈与税」が課税されます。親子間売買は通常の商取引と変わらないため贈与に該当せず、贈与税を課せられることはありません。但し、価格が市場と著しく乖離していると「みなし贈与」として課税の対象となりますので注意が必要です。

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親子間売買の住宅ローン相談とその結果

息子様の属性
年齢:30歳
勤続:10年
年収:450万円
借入状況:自動車ローンで約200万円の借入がある
借入希望額:物件代金+諸経費の総額
息子様がご両親の不動産を譲り受ける際に、他の兄弟2名から不平等な財産分与と不満が出ないように親子間売買を行うことにしました。親子間売買により売買代金をご両親に支払うことで支払うことで将来相続が発生したときに揉め事にならないようにするためです。
取得に際しては自己資金を利用せず、物件代金プラス諸経費のフルローンを希望。各金融機関へ息子様が直接相談に向かう。

相談に行った結果、金融機関の大半の対応は「不動産会社等の第三者が媒介をする場合でも原則として親子間売買への融資は取り扱いができない」との回答の中で、住宅金融支援機構のフラット35は親子間売買でも取り扱い可能との事だったが年収に対しての最大借入可能額が、今回の売買価格に満たなかった。

また他の金融機関では、ご両親が物件を担保として現在借入をしているなら借入金額を上限として融資検討すると言われたが、借入額は全くないので審査対象外との回答であった。

その他にも、融資検討してくれる金融機関はあるが、「借入金額が売買代金に満たない」こと、「息子様に自動車ローンの借入がある」こと、「不動産を所有している保証人が必要」なこと、「諸経費部分の融資は対象外」であること等の追加条件から親子間売買には融資基準がかなり厳しく、結果として融資可能な金融機関は見つからなかった。

その後、インターネット等で検索して親子間売買を積極的に取り扱っている不動産会社へ数社相談するが、前述の理由から取り扱いは難しいと断られてしまった。

解決スキーム

親子間売買を積極的に取り扱っている不動産会社でも断られてお困りになっているタイミングで、当サイト運営会社へ相談がありました。

息子様が親子間売買を希望されている不動産は賃貸併用住宅であるが半分の部屋が空室になっている状態という事が分かったため、まず空室部分の募集をおこない1ヶ月で満室稼働させました。

その後、当社の提携金融機関に融資を打診。賃料収入を収入合算することで年収からの借入上限額を満たすことに成功。また諸経費の仲介手数料に関して、当社では親子間売買の場合、買主側仲介手数料は無料のため諸経費を圧縮に成功。

親子間売買ではみなし贈与にあたらないよう細心の注意を払う売買価格を時価の範囲内で再度見直しを行い、物件代金と諸経費のフルローン融資を受けて親子間売買が成立。

また当社提携の金融機関には、他の不動産会社から打診してもらったことがあるが否認されたとの事でした。

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