認知症高齢者が所有者のリースバック事例

Q.ご相談の内容

【ご相談いただくまでの状況】
・夫78歳、妻91歳(認知症)の高齢者夫婦(ペット犬1匹)
・夫婦共有でマンション所有(住宅ローンなし)
・収入は年金のみ。生活収支は赤字
・子供なし

東京都内にお住まいの78歳のご主人からのご相談。現在、年金収入で生活しているけど妻の病院送迎や生活用品の買い物などに自動車が必須のため、車の維持費や駐車場代の支出により毎月赤字。

自宅の売却を考えたが、妻が認知症のため後見制度を利用しないと売却できないと不動産会社に言われたことや、売却後の住まいが高齢のため借りれない可能性が高いため売りたくても売れないし、妻が日常生活できる間はペットと一緒に住み慣れ親しんだ自宅で生活させてあげたい。

自宅を利用して生活資金の確保をするため銀行にリバースモゲージの相談をしたが、やはりここでも後見制度を利用しないと融資できないこと、不動産の価格評価に対して50~60%が上限設定になってしまうため、万が一、将来的に妻が有料老人ホームに入所するときの入所一時金や月額利用料を考えると融資額では足りない

また、後見制度を利用すると後見人に支払う月額報酬も無いため手続きが取れない。

【希望】
後見費用をかけず、引越することもなく、リバースモゲージの融資額以上の資金を確保したい。

A.解決スキーム

今回のご相談に対して、リースバックを利用することで後見費用をかけず、引越することもなく、リバースモゲージの融資額以上の資金確保を実行しましたので解決方法を追ってご紹介します。

成年後見制度に関して

成年後見制度を利用する際に「だれが成年後見人になるか?」がポイントとなります。弁護士や司法書士のような専門士業が被成年後見人に代わって選任されることが一般的ですが、家族や親族がなることも可能です。

家族が後見人に選任されれば、裁判所が決める後見人の月額報酬は家族に支払われることになります。

リースバックの賃料に関して

リースバックの賃料を設定するにあたり、一般的には売却価格に対して年間6~12%相当額の賃料となりますが、この計算で賃料を算出すると周辺の家賃相場の約1.5倍になってしまい、毎月の家賃支払いができませんでした。

https://fudousan-pro.com/leaseback#toc_id_2

リースバックの期間と賃料

リースバックを取り扱う会社は数多くありますが、各社得意とするカテゴリーがあります。

例えば不動産ファンド母体等の会社だと自社ビルや工場などの商業用不動産に積極的なのに対して、個人投資家への取引主体の会社などは一軒家やマンションなどの居住用不動産に積極的です。

そのため、マンションを得意とする数社との条件比較等により周辺賃料相場同額の条件を勝ち取ることで、無理なく月額支払いが可能となる会社選定に成功しました。

リースバックの期間に関して

今回のご要望であった「妻が元気なうちは住み慣れた自宅で生活したい」のために、更新ができる一般型の賃貸借契約で合意することができました。

期間を定めた定期賃貸借でも更新ができる特約が記載されていることがありますが、契約期間中に貸主側に更新できなくなった場合、特約に記載があっても定期賃貸借の場合は保全されないのに対して、一般型の賃貸借の場合にはこのリスクを回避することができる為です。

これにより相談者が希望する期間は安心して積み続けることが可能となりました。

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