リースバックとリバースモゲージの違いを徹底解説

リースバックとリバースモゲージの違いとは?

リースバックとリバースモゲージについてご存じでしょうか?この二つの手法は自宅に住み続けながら資金確保が出来る方法として注目されています。

特に高齢者で自宅は所有しているものの、生活資金に不安を感じているという方が年金がわりとしてよく活用します。

今回はそんなリースバックとリバースモゲージについて、それぞれの違いやメリット・デメリット、手続き方法について解説していきます。

リースバックとは?

リースバックとは、保有している自宅を専門の不動産業者に売却し、その後も不動産業者に対して賃料(リース料)を払いながら、売却した物件に住み続けることを言います。

買い取りの代金は一括支払いとなる為、ローンの返済は終わっている、若しくは順調に進んでいるがまとまった資金が欲しいという方によく利用されます。

利用例は以下のようなケースが多いです。

  • 老後の生活資金確保
  • 子供の養育費
  • 何か大きい病気になったときの医療費
  • 住宅ローンとは別の借金返済
  • 事業資金

リバースモゲージとは?

リバースモゲージとは、保有する自宅を担保に生活資金の為の融資を引くことです。

60 歳以上、65 歳以上が利用できるなど年齢制限があり、融資を受けた本人が亡くなったときに担保となっている物件を売却し借金を返済する形になります。

所有権が移転するリースバックと違い、所有権は移転せずに担保設定して融資を受けるところが特徴です。

利用例は以下のケースが多いですが、リースバックと大きくは変わりません。

  • 老後の生活資金確保
  • 老人ホームの入居資金
  • 自宅のリフォーム費用
  • 住宅ローンの完済目的
  • 趣味への資金
  • 子供への生前贈与

『リースバックとリバースモゲージの比較』

ここまでリースバックとリバースモゲージの仕組みについて解説しました。ここでは仕組み以外の部分について双方の違いについて解説します。以下の表に違いの部分をまとめました。

リースバックリバースモゲージ
利用可能な人個人・法人個人
対象となる物件特に制限なし
工場やオフィスビル等も可
一戸建て
※マンションは金融機関による
年齢制限なしあり
(60歳以上、65歳以上等)
収入制限なしあり
使用制限ありあり
(金融機関による)
借入残額がある状態での利用ありなし
契約終了後の買戻し可能売却して一括返済

自宅を売却して資金を得るリースバックに比べて、あくまで融資を受けることになるリバースモゲージには制限が多いことが分かります。

また、リースバックは買主に所有権が移転する為、修繕費や固定資産税などのランニングコストは買主が負担します。

しかし、リバースモゲージは所有不動産を担保に借入をする為、所有権は自分のままでランニングコストは自分で負担しなければなりません。

表だけを見るとリバースモゲージを活用するメリット少なそうに見えます。

次からリースバックとリバースモゲージについてのメリットとデメリットについてまとめて解説します。

リースバックのメリット・デメリット

リースバックを使うメリットは、次のようなケースが挙げられます。

  1. 所有権が移っても住み続けることが出来る。
  2. 不動産業者が買い取る為、買い主に困ることがない。(早く資金が手元に来る)
  3. 所有していた時にかかっていた固定費(修繕費や固定資産税など)がなくなる。
  4. 年齢や収入による制限がない。
  5. 将来的に買戻しが可能。
  6. 資金の用途が自由。
  7. 対象物件が多い。

自分の物件でなくなっても住み続けることが出来ることに加えて、対象となる物件が多い、資金の用途が自由、等々リバースモゲージと比較すると制限が少なく自由度が高いことがリースバックの大きなメリットになります。

また、所有権が移転することはデメリットにもなりますが、所有権があることから発生する固定費がなくなることは大きなメリットです。将来的に買戻すことも出来ますので、柔軟に選択できる点も高ポイントです。

次にリースバックのデメリットとして、次のケースが挙げられます。

  1. 売却価格が相場よりも安くなる傾向がある。
  2. 家賃(リース料)が近隣相場より割高になることが多い。
  3. 買い戻す際には、売却価格よりも高くなることが多い。

リースバックを扱う不動産業者も事業でやっていますので、当然ですが、業者側にもメリットがなくては成り立ちません。業者側のメリット(目的)はもちろん利益ですので、物件を出来るだけ安く買って、高くリースをしようとします。

当然ですが、利用者側の為に高く買って安く貸そうとはしません。その為、売却価格や家賃、買戻し価格については業者有利な額になる場合が多いです。ここは不動産業者側との交渉になりますので、出来るだけ自分で周辺の売買、賃貸価格を調査し少しでも有利な額になるように交渉しましょう。

リバースモゲージのメリット・デメリット

先ほどメリットが少ないと解説したリバースモゲージですが、以下のようにメリットもあります。

  1. 所有権を移すことなく資金確保が出来る
  2. 毎月の支払いは利息のみ
  3. 高齢者でも借り入れが出来る

リバースモゲージは自宅を担保に融資を受けることが出来る仕組みなので所有権は自分のままで資金を確保することが出来ます。

また、月々の支払は利息のみで元金は所有者本人が死亡した際に自宅を売却することで返済しますので、返済が楽というメリットもあります。

高齢者の年金確保の為に作られたものですので、高齢でも融資が受けられるのもメリットです。

次にリバースモゲージのデメリットについて解説します。デメリットは以下の通りです。

  1. ⾧生きすればするほど資金繰りが厳しくなる。
  2. 不動産価値が下がると返済時にマイナスになる可能性がある。
  3. 金利が上がると返済がきつくなる。

リバースモゲージのメリットは融資を受けられる点ですが、借りてから⾧く生きるほど資金繰りがきつくなります。

極度額まで借りてしまうと追加の借り入れが難しくなる為、その時点で資金ショートになってしまうリスクも怖いですね。

また、不動産価格は変動しますので、もし借りた時点よりも不動産価格が下落していた場合は本人が亡くなって売却したときに残債を下回る売却価格となり借金が残ってしまうことも考えられます。

ここがリースバックとの大きな違いですね。最後に今の社会情勢を考えると可能性は低いですが、金利上昇による返済額アップもリスクになります。

リバースモゲージ活用の際は今の自分の資金の状況と所有する物件の将来的な資産性、これからの経済情勢をよく考えて判断する必要があります。

手続き方法

ここでは、リースバックとリバースモゲージの手続き方法について解説します。細かいところは業者によって様々ですので、一般的な手続きの流れをまとめていきます。

リースバックの手続きについて

≪ステップ①≫:業者に売却の相談

リースバックを扱う業者に連絡をして相談をします。ここで業者側からリースバック商品の説明や今後の流れについて説明をされます。疑問点についてはここで相談すると良いでしょう。

≪ステップ②≫:概算(机上)価格の提示

業者側のデータベースをもとに所有物件の概算価格と賃借する時の概算賃料(リース料)を提示してもらえます。希望の価格や賃料についてもここで相談出来ます。

≪ステップ③≫:現地調査

業者立ち合いのもと物件の現地調査をします。物件の状態や周辺環境など最終的な価格提示に必要なポイントについて調査します。

≪ステップ④≫:買い取り金額の提示

現地調査からの情報、所有者が希望する家賃などを考慮して最終的な買い取り価格を提示してもらいます。

ここで契約内容が決まりますので、不満な部分は確実に交渉し契約するかどうかの判断をしましょう。

また、リースバックは所有者が物件を手放しても入居し続けることを前提とした契約ですので、契約が決まった場合は契約締結までに家賃保証会社の審査を通す場合があります。

≪ステップ⑤≫:売買契約を締結する

不動産重要事項説明と合わせて契約条件の確認をします。ここで売買契約締結という形になります。

後で「こんなはずじゃなかった」と言うことがないよう、契約内容はしっかりと確認しましょう。

≪ステップ⑥≫:売買代金の入金と所有権移転、及び賃貸借契約の締結

最後に物件の決済代金の入金と所有権移転に関わる登記手続きをした後、今後も住み続ける為の賃貸借契約を結びます。

引き渡し後、旧所有者は賃借人になりますので、賃料を支払いながら住み続けます。

リバースモゲージの手続きについて

≪ステップ①:金融機関への事前相談≫

リバースモゲージを扱う金融機関はたくさんありますので、気になった銀行に問い合わせて一度面談、カウンセリングを受けます。

ここでリバースモゲージについての説明と商品の説明を受けます。

≪ステップ②:申し込み審査≫

リバースモゲージは銀行融資になりますので、契約前に借り入れが出来るかの審査があります。

ここで本人確認書類、収入証明、所有物件情報など各金融機関指定の審査に必要な書類を提出します。

提出が完了したら銀行側で融資が可能かどうか、また可能であれば借り入れ限度額はいくらか等を審査の上、提示してくれます。

≪ステップ③:審査結果の案内を受ける≫

全く融資が出来ない場合を除いて、審査結果が出た後は銀行側と一度面談をします。

ここで融資を受ける額や金利、月々の返済計画等を相談の上、確定していきます。

融資の二次審査がある場合は、ここで確定した内容をもとに申込書を記入し最終的な申し込みをします。

≪ステップ④:金銭消費貸借契約≫

融資が決まったら、融資を受ける為の金銭消費貸借契約を銀行側と締結します。ここで契約内容の確認、契約書の記入、物件に抵当権を設定する為の登記手続きをします。契約が終了後、決まった日にちに融資額が入金されます。

まとめ

今回はリースバックとリバースモゲージの違いについて解説しましたが、如何でしたでしょうか?

それぞれの違いからメリット・デメリットまで確認しましたが、リバースモゲージは高齢者でも借り入れが出来るメリットはありますが、資金の用途や担保設定できる物件は戸建てだけ等、制約が多いのが大きなデメリットです。

また、借り入れなので借金が嫌と言う方にも向かないかも知れません。それぞれ個人の状況次第ではありますが、リースバックの方が、あらゆる面での自由度が高く、老後の生活資金を賄いたい高齢者から事業資金が必要な若者まで多様な目的で利用できるように感じます。

自宅を所有している方、両親が自宅を所有している方でまとまった資金が必要な方などは自分が所有する物件の価値を把握する為にも一度、調べてみては如何でしょうか?

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